深井 淳
代表取締役社長

―― 新年度になり、2022年の会社設立から4年目となる年度がスタートしました。4年前の今頃はどのようなことを考えていたのですか。
深井 3社の合併という、生まれも育ちも異なる会社の統合自体が私にとって大きなことだったので、3社をどのように1つにまとめていくか、4年前の4月頃はそればかりを考えていましたね。
―― 現在の姿を想像していましたか。
深井 いえ、まったく想像していなかったです。まず社員数が200名から300名を超えました。これはもうまったくの想定外で、売上高も予想を超えて大きく伸びました。さらに高木システムの合流やアイエステクノポートの仲間入りなどもあり、どれも想像すらできなかったことですね。
―― 3社を1つにする方策として取り組んできたことは何ですか。
深井 業績を上げていくこと、そして社員のメンタルを大事にすることの2つでした。
業績を上げることは事業の安定に直結し、社員の給与を上げていくことにつながります。それが社員の気持ちを1つにしていく基本中の基本と考えました。そして社員はそれぞれに考えや思い、感情をもって働いていますから、その1つ1つに寄り添って会社を作っていきたいと考えていましたね。
メンタル面での取り組みは、とにかく一人ひとりの社員と会って会話し、話を聞くことでした。この会話は今も継続していますが、この4年間で社員と話した時間は私が一番多いだろうと思います。
―― ワン・オン・ワンやスキップ・インタビューはずっと続けていますね。
深井 それと、仕事にちょっと行き詰っている人や落ち込んでいる人、会社を辞めようと考えている人とは、時間を作って積極的に話をしてきました。その結果、会社を辞める寸前だった人を引きとめたり手立てを講じたりしてきたので、そのぶん責任も重く感じています。
―― その手立てというのは何ですか。
深井 今、「スキリングファーム」と呼んでいるプログラムです。仕事を続けることに困難を感じている人に、一定期間、仕事を離れて新しい技術や知識を習得してもらうプログラムです。このファームの後に新しい部署に移って大活躍している人もいますね。
―― 業績を上げていくことでは、どのようなドライブをかけたのですか。
深井 キーワードとしては、変化を恐れるな、ということを事あるごとに話してきました。これについては2つの意味があって、未体験の新しいことにチャレンジしようということと、高収益のビジネスへシフトしようという2つが含まれています。
ビジネス面から言えば、収益は大きくなくても安定した仕事は、企業の1つの柱となり得ます。しかしそこに安住していると、その安住は古い技術と知見に依存していることが大半ですから、技術者にとって、会社にとって、そしてお客様にとっても大きな成長は望めません。だから機を見て、よりよいメリットを生むことへシフトしていくことが重要です。
変化イコール成長、成長イコール変化、ということは、これからも言い続けていくと思います。
―― 新年度になると、その年度の行動目標を発表してきましたね。会社設立から2023年度末の2024年3月までは「社員の融合」、2024年度は「教育元年」、2025年度は「マーケティング元年」でした。今年度のテーマは何ですか。
深井 「チーム力、組織力の強化」と、「心理的安全性の強化」の2つです。
―― 心理的安全性の強化とは何ですか。
深井 社員の皆さんがより気持ちよく働けるよう、ルールやカルチャーをよりきめ細かく作っていこうということです。たとえば些細なことですが、みんなで集まったときは、1杯目はお互いに注ぎ合って2杯目からは手酌にしよう、といったことをマニュアルに明記しておけば、部下や若い人は先輩・上司にお酌をすべきといった旧態依然としたマナーを退けることができます。今年度はそうしたことに細かく目を配って、より働きやすい、よりチャレンジしがいのある場にしていくつもりです。
―― チーム力、組織力の強化では、どのようなことを考えていますか。
深井 この4年間は、ある意味で私個人を中心に会社が回ってきました。しかし、社員が300人を超えたこれからは、組織と仕組みで動いていくことが必要です。この4月に本部制へ移行したのもその1つの取り組みで、これからは各本部の本部長が自らの判断で部門を動かし、より機敏に事業を推進していくことになります。
社員のレベルでは、個々の社員の希望や特性によりフィットする環境を整備し、個の力を最大化して、チーム力を高められるようにしていきます。たとえば教育・研修は、これまで入社年次や職位、職種別に一律のプログラムを提供してきましたが、今後はキャリアパスのコースをいくつか設けて、その人にあったコースを選択できるようにしていきます。
―― 事業面の今後については、どのように考えていますか。
深井 たとえばMaximoやServiceNow、IBM iなどはビジネス拡大のチャンスと考えて投資とリソースを集中し、業績を伸ばしてきました。今後はそれに加えて、デジタルソリューションやネットワーク/インフラ事業を強化していく方針です。
そして重要なのは生成AIです。これについては「生成AI活用推進チーム」を設置して、スピード感をもって取り組みを進めています。それと、全国のパートナー様とも会話を続けていて、パートナー様との協業や連携も増えていくだろうと思います。
2026年度のクレスコ・ジェイキューブも、引き続き注目していただきたいですね。

