
細田 敦史
専務取締役
コーポレート管理本部長
―― 細田さんはこの4月に専務取締役になりましたが、当社の設立時から非常勤取締役として関わってきたのでしたね。
細田 はい。もう少し詳しく言うと、親会社クレスコのグループ統括担当役員として、当社の前身である3社の統合から密に関わってきました。その意味では当社の誕生の前から関わっていることになります。
―― 細田さんの経歴をご紹介ください。
細田 私は1996年にクレスコに入社し、最初の20年は総務・人事の担当、残りの10年はグループ統括を主に担当してきました。
―― グループ統括というのはどういう仕事ですか。
細田 クレスコ・グループは現在15社で構成されていますが、グループ統括は個々の会社の成長をサポートしたりグループ会社間のシナジーを促進したり、あるいはグループ全体の成長のためのM&Aの推進が主な仕事です。
―― 総務・人事ではどのような担当でしたか。
細田 採用と教育を長く担当しました。新卒、中途、障害者のすべての採用を担当していたので、年がら年中、採用の仕事をしていた記憶があります。新年度の採用が一段落するとすぐに次の年度が始まるという連続で、息をつく暇もない毎日でした。
―― その経験から見て、当社の採用活動はどのように見えていますか。4月からコーポレート管理本部長として、採用も担当の1つになりましたね。
細田 そこは今まさに勉強中ですが、採用市場全体の動向からすると、当社の良さをアピールするだけでは足りず、当社のマニアになってくれる学生さんを増やす取り組みが必要だろうと思っています。
―― マニアとは、どういうことですか。
細田 現在、新卒の採用活動はかなり早期化していて、3年生が4年へ進級する頃にはくの学生さんが複数の内定をもらっている状況です。そうした中で最終的に当社を選択してもらうには、単によい会社、特徴のある会社というだけでは十分でなく、この会社で働きたいという強い動機づけが必要です。そうした動機をもってもらうための施策や採用活動が必要だろうと感じています。
―― 具体的にはどのような取り組みになるのでしょうか。
細田 たとえば、当社は全社を挙げて生成AIに取り組んでいます。最近の学生さんは将来を左右するような技術や動向に非常に敏感ですから、そうした関心に正面から向き合い、当社の姿勢をきちんと説明することが大切です。それと当社の業務をリアルに理解してもらうための「育成採用」と言われる活動もポイントになります。
また、学生さんが望んでいる職種が当社になかったりメインの事業でない場合ははっきりと伝えることや、学生さんが当社について誤った認識を抱いている場合はそれをきちんと訂正することも重要です。要は、学生さんと当社がWin-Winの関係になる採用活動が必要と思っています。
―― 細田さんはこの3月まで、非常勤取締役として、そしてクレスコのグループ統括役員として当社を見てこられたわけですが、当社のこの4年間の歩みをどう評価していますか。
細田 まず、事業領域も強みとする技術もカルチャーも異なる3社がうまく1つにまとまってきたと率直に感じています。そのことは高く評価すべきだろうと思います。そして2024年度からの3カ年の中期経営計画も業績を上方修正するなど順調に進んでいますし、今後に向けての基盤もできつつあると認識しています。
―― その中で、当社はIBM i分野への投資を積極的に行い業績を伸ばしてきました。それについてはどう見ていますか。
細田 非常にいい選択だと思ってきました。今IBM i市場を見渡すと、多くのベンダーが試練の時を迎え、困難な状況に直面しています。たとえば、1990年前後に創業した企業の多くでは創業社長の高齢化や継承の問題、新しい技術へのキャッチアップの課題などを抱えています。そういう状況を踏まえると、当社は非常にいいポジションにいると思います。
その1つの理由は、IBM i技術者が100人以上もいるという規模の優位性です。しかも若手のIBM i技術者の育成に力を入れ、計画的に増員しています。そしてもう1つは、IBM i分野における40年以上のシステム開発・運用・保守の豊富な経験です。さらに、IBM i以外のオープン系、クラウドなどでも幅広く事業を展開し、多くの実績をもっています。こうした陣容をもつベンダーは、そう多くないはずです。
当社のIBM i市場における知名度は今はそれほど高くありません。しかし近い将来、「IBM i市場にクレスコ・ジェイキューブあり」という確固たる存在になると確信しています。
―― そのためには何が必要だと考えていますか。
細田 従業員が300名を超えたら、事業の進め方は自ずから違ってきます(*1)。300名を超えたら、組織で仕事をしていくということが否応なく必要になるのですが、その点当社はこれまで優秀な人に恵まれて、優秀な人に依存した事業展開や組織運営を行ってきました。つまりいい意味で、属人化に支えられた会社だったのです。
*1:当社は2026年4月現在、単独 325名、連結 342名
しかし300名を超え、さらに人が増えていくことを考えたら、それにふさわしい組織体制や事業の進め方が必要です。今はそれを真剣に考え、かつ取り組む時期に来ていると思います。
―― その新しい組織体制や事業の進め方の確立は、それこそ細田さんが担当するコーポレート管理本部の担当ですね。
細田 その通りです。これまでのやり方のいい部分を残しつつ、さまざまな局面で標準化を進める必要があるだろうと考えています。そしてそのうえで、社員の皆さんにとってウェルカムとなる新しい制度やサービスを創設し、社員の皆さんに提供していきたいと考えています。コーポレート管理本部は、そうした一連の取り組みの“扇の要”になる必要があると考えています。

