
清水 潤
第2事業部
事業部長
ーー 第2事業部の事業領域は何になりますか。
清水 3つあって、1つは、お客様と直接お取引するビジネスで、開発から保守、運用まで一連のシステム事業を行っています。2つ目は、プロダクトを活用したDXサービスの推進で、具体的にはMaximo、ServiceNow、iSeries Site、POSITIVEの4つのプロダクトを中心に展開しています。そして3つ目はデジタルソリューション事業で、スマートワークソリューションやJCUBEケアサービスなどを活用するソリューション事業です。
MaximoはIBMの資産管理・予知保全のためのインテリジェントな製品、ServiceNowは業務の標準化・自動化を実現する製品、iSeries SiteはIBM i上で稼働する基幹システムを構築するためのプラットフォーム、そしてPOSITIVEは高度なグループ管理を実現する基幹人事システムです。
ーー 具体的にはどのように推進しているのですか。
清水 オーソドックスな方法ですが、お客様を訪問して業務やシステムに関するお悩み事をうかがったり、定期的にミーティングの場を設けて、お客様の課題解決を一緒になって探ることを地道に続けています。
たとえば、経営層からシステム部門に「DXの推進」というテーマが下りてきても、目的をどこに設定するか、どう進めるかなどで悩んでおられるシステム部門の方はたくさんおられます。
そこをヒアリングとディスカッションを通して本当の課題を見つけ、その解決の方向を一緒になって探り、解決策をご提案しています。
ーー お客様の声を直接うかがうことは、とても重要なのですね。
清水 そう痛感しています。
ーー お客様の状況で、ほかに注目していることはありますか。
清水 技術者の不足ですね。特にIBM iのお客様の間で顕著なように思います。そして技術者の不足が深刻になると既存システムの保持さえも困難になるので、IBM i以外へのプラットフォームの移行を選択するお客様もおられます。
私どもからすると、これまで営々と築いてきた資産やシステムをプラットフォームを変えるだけで高額の費用をかけ、しかも移行後はTCOがさらに増加するのですから、非常にもったいない動きとしか思えません。それを今一度見直すためにも、お客様との直接的な会話が欠かせないと考えています。
ーー 先ほど挙げていただいた事業・製品の中で、特に注力しているものは何ですか。
清水 Maximo関連のビジネスが好調なので、これを伸ばしていくことが1つあります。Maximoは非常に優れた製品ですが、高機能かつ高度なため取り組むベンダーはあまり多くありません。それゆえに当社がMaximoビジネスを強力に推進していることや、その経験と実績や、技術と陣容を広く知っていただく必要があると考えています。MaximoとiSeries Siteは当社が長く関わって来た製品で、当事業部の柱を成す事業です。
そのほか、ServiceNowを伸ばしていく計画です。お客様にとって導入効果の非常に高いプロダクトと考えています。またデジタルソリューションを伸ばしていくことも当事業部の大きなミッションで、目下いろいろな施策を考えています。
ーー 人材面、人材育成の面ではどのような取り組みを進めていますか。
清水 基本はOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)で、プロジェクトの中で実践的なスキルや知見を身に着けてもらうことを進めています。そしてそのうえで、個々の技術者が成功体験を積み重ねていけるようにすることが、マネジメントのポイントだと考えています。それは小さな成功体験でもよく、そうした体験を積み重ねていくことが、技術者の成長を促し、プロジェクトにもよい影響をもたらすと考えています。
ーー 生成AIの活用についてはどのような考えですか。
清水 社内では「ChatCube」という生成AIツールを自社開発し、社内規定の参照などに活用しています。第2事業部でも将来的に生成AIツールを既存プロダクトと組合せて提供する可能性はあります。人事・給与・ワークフローシステムへの生成AI活用は、業務効率化だけでなく、データに基づいた意思決定支援や従業員体験の向上にも大きく貢献できる分野と考えます。まず現状は、既存製品をより使いやすくしたり、システム開発や運用、保守の効率を上げるための活用を考えることのほうが先だと考えています。
ーー 単刀直入に、第2事業部の強みは何でしょうか。
清水 何と言ってもお客様に直接対面し、お客様の声を広くお聞きして事業に活かしていることが強みです。冒頭で挙げた3つの事業も、お客様の声に耳を傾けながら事業を進めていることが売上を伸ばす結果につながっていると考えています。
それと第2事業部は女性の比率が4割以上と高く、それも強みになっていると思います。当事業部の3人の部長は全員女性です。それぞれの知見や技術力は当然として、キャリアを重ねてきた女性のもつ、お客様システムに対するきめ細かい洞察と、包み込むようなマネジメントが、非常にうまく進んでいると思っています。
