
渡辺 充
第5事業部
事業部長
ーー 渡辺さんは今年3月まで高木システムの執行役員としてTREE事業を率いてきました。そして4月に高木システムが当社と一緒になってからは、新設の第5事業部の事業部長として、引き続きTREE事業をリードしています。この間、何か変化はありましたか。
渡辺 高木システムは30人規模の小さな会社で、クレスコ・ジェキューブは300人規模の会社です。それで4月以降は、高木システム時代には経験したことのない、いろいろな部署や人との打ち合わせや調整が入るようになり、4月~5月は少々戸惑うところもありました。
しかし、当社の多岐にわたる事業が見えてくると、TREEの新しい事業構想が次々に浮かんでくるようになりました。これは高木システム時代には経験しなかったことですね。
ーー というと。
渡辺 高木システムの主力商品はTREEで、それをお客様に提案し、利用をご支援していくだけでマンパワー的に手一杯でした。お客様から、TREEと外部クラウドサービスとの連携を支援してほしいとか、TREEと周辺のサブシステムを一緒に面倒見てほしいとご要望をいただいても、リソースとマンパワーの関係で対応できないことが多くありました。
クレスコ・ジェイキューブは、基盤系ならIBM iからWindows、Linux、クラウドまで多様なエンジニアが揃っていますし、金融から製造、流通などまで幅広い業種のお客様システムについて豊富な経験と実績をもっています。さらに、上流のシステムコンサルティングから下流の運用・保守、派遣・常駐までさまざなサービスも提供しています。
ーー つまりTREEのお客様企業のさまざまなシステム化ニーズに対応可能になったというわけですね。
渡辺 そうです。しかも重要なことは、TREEと当社のさまざまなITソリューションを組み合わせることによって、TREEでできることをさらに大きく広げていけるということです。これは高木システム時代には実現できないことでした。
ーー 渡辺さんは、TREEとは長い関わりなのですね。
渡辺 私は高木システムに1989年に入社しました。TREEが販売開始になった翌年で、以来、ほぼ一貫してTREEの開発やお客様向けのカスタマイズ、導入、運用・保守支援などに携わってきました。もう35年以上になりますね。
TREEはこの35年間に、基幹販売管理システムとしての機能を充実させ、完成の域に達した製品になりました。お客様のさまざまなニーズにお応えできるよう約80種類のオプションも備えています。
ーー TREEの特徴をひと言でいうと何ですか。
渡辺 電気・電子部品、電設資材、機械器具業界のお客様が必要とするすべての機能をパッケージ化した基幹業務システムです。そのためカスタマイズを必要とされないお客様なら、短期間で使い始めることが可能です。
それと、TREEをご利用中のお客様は100社以上ありますが、その個々のお客様のご利用状況とご要望を私どもが詳しく把握しているということが、TREEという製品のもう1つの特徴だと思っています。
ーー 目下の取り組みテーマは何ですか。
渡辺 3つあって、1つはTREEのバージョンアップです。TREEは過去30年間、3年ごとのバージョンアップをずっと継続していて、次は2026年のリリース予定です。今その開発を急ピッチで進めています。
2つ目は、TREEの拡販です。高木システム時代は営業/マーケティングのリソースに限りがありましたが、クレスコ・ジェイキューブでは多面的な営業/マーケティング活動が可能ですから、そのリソースを活用してTREEの拡販につなげていくのが課題です。
3つ目は、2つ目とも重なりますが、クレスコ・ジェイキューブの既存のお客様に対してTREEをご提案していくクロスセルの活動です。たとえばiSeries Siteの人事・給与・会計のユーザーを対象にしたJCUBEケアサービスは、100社以上のお客様がご利用中です。そしてその中には一定数、TREEによるソリューションを求めておられるお客様がいると考えています。
ーー 2つ目と3つ目の課題は、高木システムがクレスコ・ジェイキューブと一緒になって検討可能になったテーマと言えますね。
渡辺 この4月からさまざまな部署と話し合いを重ねてきて、具体的なプランが見えつつあるというところです。
ーー 取り組みを遂行するために、とくに何に注力していますか。
渡辺 TREEの優位点をアピールできる人の育成です。TREEは基幹業務システムとして完成の域にある製品で、豊富な機能とオプションが特徴です。それを理解してお客様に説明できるのは当然のこととして、それに加えて、お客様が直面している課題に対してTREEがどのように貢献できるか、どのようなソリューションを提供できるかを説明し、アピールできることが重要です。
そのためにはお客様の業務に通じ、ご要望を理解できることが大前提です。それは一朝一夕にできることではありませんが、その観点で人を育成することが“急がば回れ”になると考えています。