
中川 博勝
西日本事業所
所長
ーー 今年4月に高木システムが当社に合流し、高木システムの西日本事業所長だった中川さんはクレスコ・ジェイキューブの西日本事業所長となりました。中川さんは所長として、西日本事業所の目標をどのように描いていますか。
中川 それは今まさに経営陣や営業および各事業の責任者たちと議論しているものですが、中長期の大きな目標は、西日本事業所の拡大と当社の西日本ビジネスの発展です。クレスコ・ジェイキューブは、高木システムとM&Aする以前は東京と福島に拠点をもつ東日本中心のビジネスでしたので、西日本への事業拡大はかねてからの大きなテーマでした。
事業の方向としては、統合基幹システム「TREE」と各種デジタルソリューションを軸に、当社とクレスコグループのリソース、知見、経験を投入して、西日本のお客様の経営課題、業務課題、IT課題の解決をご支援していこうというものです。各種デジタルソリューションには、申請・承認処理をベースに柔軟な業務基盤を構築できる「スマートワークソリューション」やデータ活用ツール「Tech-Cube DataOne」、人事・給与・経理・ワークフロー「IBM iSeries Site」、旅行事業向けの「クリアルート」「たび助」などが含まれます。
ーー 当社とクレスコグループの総力をあげて西日本事業所の拡大に取り組む、ということですね。短期的にはどのような目標を立てていますか。
中川 まず西日本のお客様とビジネスパートナー様に当社を認知していただくことが最優先事項だと考えています。当社の商材には何があり、どのような事業を展開しているのか。その経験と実績、技術を広くご理解いただくのが最初です。そしてそれと並行して、西日本で事業を展開しているクレスコグループとの連携の強化や、高木システム時代のお客様への当社の製品・サービスの紹介をとおした各事業部の営業支援、従来からのITコンサルティングの推進が短期的な目標です。
ーー 中川さんは、以前からITコンサルティングのエキスパートですね。
中川 IT業界に精通して41年目になりますが、キャリアのスタートはプログラマーでした。そしてPMを含むシステムエンジニアを13年ほど務めた後、当時勤務していた会社がコンサルティング事業を立ち上げ、大阪でその担当に指名されたのがITコンサルティングの道に入るきっかけでした。以来26年間、ITコンサルティング一筋で、そのうち転職が3回、東京勤務が2回、個人事業主として独立して2年、そして高木システムへ入社という経歴です。2015年に高木システムに入社して西日本事業所にITコンサルティング事業を立ち上げ、その職務を遂行してきました。
ーー 主にどのようなお客様にITコンサルティング・サービスを提供しているのですか。
中川 売上規模でいうと年商200億円ぐらいまでの中小企業のお客様ですが、業種はさまざまで特定の業種に絞られることはありません。経営戦略の策定支援やシステム化の基本方針の策定支援、RFP策定支援、情報システム顧問などお客様の課題に寄り添ってご支援を提供してきました。
ーー その経験を西日本事業所の拡大へ向けてどう活かしていきますか。
中川 1つ特徴として言えるのは、私が取り組んできた経営視点に基づくITコンサルティング・サービスを当社の中で提供できるのは、西日本事業所の強みといえます。
ITコンサルティングは個別のお客様の立場に立ち、お客様の視点で経営課題から業務課題、IT課題の解決を図ります。西日本事業所は「顧客軸」でお客様を開拓し、その成果を他部門・グループ各社の「製品・サービス・ソリューション」へとつなげていくのが役割だと考えています。前で触れた他部門・グループ各社のための営業支援ですね。
このほか他部門の案件でITコンサルティングの必要がでてきた時のフォローや、イベント/セミナーの講師役など、相互に補完的な活動が展開できるだろうと思っています。
ーー お客様層の課題・問題は何だと見ていますか。
中川 西日本事業所は中小企業のお客様が多いため、一番の課題は、IT人材の不足とIT知識・スキルの不足です。これが決定的に不足しているので、攻めのITと守りのITの活用に計画的に取り組めていないお客様が大半です。要するに業務効率化のためのシステム化に走っているお客様が非常に多く、商談率を上げるとか売上を伸ばすといった経営視点に基づくシステム化に取り組めていないのです。
ーー 一般的にITコンサルティングを利用されているお客様は、まだそれほど多くないと思います。ITコンサルティングを利用するメリットは何でしょうか。
中川 たとえば業務改革を行おうと経営層が決断しても、社内のプロジェクトでそれを推進するのは相当に困難です。業務改革に必要な知識やスキル、ノウハウが社内にないからですが、ITコンサルティングを導入すればその不足を補え、さらに、お客様自身が気づかない潜在的な課題までも顕在化させて、業務改革に取り組めます。また業務改革の期間短縮にもつながります。
ーー 中川さんが今最も注力していることは何ですか。
中川 クレスコ・ジェイキューブの認知度向上と、西日本事業所の拡大へ向けた戦略と組織の早期の確立、そしてソリューション営業の育成とその強化です。当面はこの3つに邁進します。
