生成AIには「期待と危機感と危惧」の思い。その中で、生成AIベースのチャットボットツールを開発|クローズ・アップ J Cuber

2025/12/18J Cuber

R・Y

第1事業部
ニュービジネスソリューション部

R・Yは、大学では農学部で生物農薬を専攻しましたが、学生時代からホームページを作るのが好きで、「その関心の延長で」、IT企業への就職を志望しました。

「HTMLという言語は、ページに色を付けたりするだけのものではなく、セマンティックな世界を構築するためのツールです。その仕組みに学生時代から興味を覚え、趣味の音楽や絵画、自作の小説などを掲載するサイトをいくつも作っていました」

その趣味のサイトは現在も継続し、更新を続けていると言います。

「私は、興味を覚えたものに没頭するタイプで、それは仕事面でも変わりません。PythonやTypescript、Reactなども自分に合うテキストを自分で選び、プログラムの書き方を自習して、技術を習得してきました」

R・Yは開発プロジェクトの中で、技術面をリードする役割を担っています。

「チームではサブリーダーとして、プログラムの品質向上や開発体験の向上を念頭に活動しています。また、システム全体の構成を考えるアーキテクトとしての仕事も務めています」

R・Yはこの1~2年、生成AIに大きな関心をもってきました。生成AIについても独学で、実践で使えるまでなりました。

当社では2025年4月に社内用の生成AIチャットボット・ツール「ChatCube」をリリースしましたが、これの主たる開発担当がR・Yです。社内用として不要な外部通信を行わない設計のChatCubeは、現在、機密を保持しつつ使える生成AIチャットツールとして、そして社員用の規定集やマニュアル類を参照する際の支援ツールとして、社員の間で定着し、頻繁に使われています。

ただしR・Yは、「生成AIについては複雑な思いを抱いています」と、次のように話します。

「その1つは危機感です。生成AIの性能が今のようなスピードで向上していけば、お客様の内製化が今よりも進むのは必然で、そのことに危機感があります。しかし、生成AIに関するスキルと知見を私たちが蓄え、餅は餅屋と思ってもらえるようなソリューションをご提供できれば、生成AIの性能向上はむしろチャンスで、お客様に私たちを注目していただける絶好の機会になると思っています。

もう1つは、生成AIの適用に関する評価と使い方についての危惧の思いです。システム開発において生成AIの適用に関する一般的な評価基準はまだなく、見積もりなどでも考慮されていないのが現状です。そうなると、生成AIツールを使ってコードをどんどん生成しても、従来のコーディングと同じ評価ということになり、開発者として考えるべき・やるべきことを行わないで〝サボる”ということが起きかねません。私はそうした時間が若い人たちを腐らせるかもしれないと危惧しています。

生成AIは、開発者なら自分の手や足として使えるようになることが理想であり、必要です。しかしそうなるには、まだ時間がかかります。それまでは、生成AIの使い方でいくつか気づくことがある私のようなエンジニアが、使い方を具体的に示していく必要があるのかな、とも思っています」

R・Yは、社内で利用するAWSの研修テキストも執筆しています。それを用いて講師役を務めることもあれば、プロジェクトの中で後輩をリードすることも数多くあります。

「最近の若い人たちをみて、仕事に対する向かい方が2極化していると感じています。全体として真面目で優秀なのですが、自分でテーマを設定して自分で取り組んでいく自走型の人とそうでない人に分かれるのです。

とはいえ、サブリーダーの立場としては、自走型の人ばかりを求めるのではなく、仕組みの中でメンバー全員がいい方向へ向かい、高い品質をもつ成果物を得られるようにするのが本来の形ではないかとも思っています。

私自身は技術者として、興味を覚えたことには積極的にチャレンジしていきたいと考えています」

My HobbyMy Interest

物を作ることが大好きで、小説を書くこと、絵を描くこと、プログラムを作ることなどを学生時代から続けてきました。それらの作品を掲載するホームページも自作して運営中で、現在は小説、小動物、プログラミングをテーマにした3つのサイトを開設しています。好きなことをしているのは自分が生き生きとする時間なので、これからも同じペースで続けていくつもりです。

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