IBM i 技術情報|スプールファイルを16進数で確認する方法

2025/10/06IBM i技術情報

鈴木 由臣

株式会社クレスコ・ジェイキューブ
デジタルソリューションセンター

今回のIBM i技術情報は、スプールファイルを16進数で確認する方法について紹介します。

IBM iのスプールファイルを16進数で確認したいと思ったことはありませんか?

印刷して文字化けしたり、エミュレータ画面で確認した時には表示されなかった文字が印刷されたら、私はスプールファイルの実際の文字データの16進数はいくつなのだろうと確認したくなります。

実はスプールファイルのデータは、ライブラリーQSPL内のQxxxxxNxxxという名前の物理ファイルの先頭Qで始まるメンバーに格納されています。今回は、スプールファイルがどの物理ファイル・メンバーに格納されているのかを探し出して、その物理ファイル・メンバーを16進数で確認する方法をご紹介します。

ご紹介する大まかな手順は、次の通りです。

(1)エミュレータ画面でスプールファイルを表示する。
(2)表示しているジョブがロックしている物理ファイル・メンバーを確認する。
(3)確認した物理ファイル・メンバーを16進数で確認する。

今回は、スプールファイルRPG01PをACSのエミュレータ画面で確認する例でご説明します。

(1)ACSエミュレータ画面でスプールファイルを表示する。

 ・WRKSPLFコマンドでスプール一覧を表示して、該当スプールのOPTに5を入力して実行キーを押下する。


 ・印刷データが‘ABC123’であることを確認する。

(2)表示しているジョブがロックしている物理ファイル・メンバーを確認する。

スプールを直接表示しても16進数で確認することはできません。また、スプールデータがライブラリーQSPLの具体的にどの物理ファイルに格納されているのかは、スプール属性の情報にも保持されていません。

ライブラリーQSPLの中のどの物理ファイルにスプールデータが格納されているのかを知るために、次の手順を実行します。

 ・スプールを表示している状態でACSエミュレータ画面を右クリックする。
  パッド画面が表示されたら「システム要求」を選択する。

 ・実行キーを押下して「システム要求」のメニュー画面を表示する。

・「システム要求」のメニュー画面で「3. 現行ジョブの表示」を選択する。

・「ジョブの表示」画面で「12.ロックの表示」を選択する。

・「ジョブロックの表示」の画面でライブラリーQSPLを探し出す。

 ライブラリーQSPLのオブジェクトQxxxxxNxxxのOPTに5を入力して、実行キーを押下する。

 ・「ジョブ・メンバー・ロックの表示」画面で、次の3項目を確認(メモ)する。

  ・ライブラリー:QSPL
  ・ファイル    :Q04079N003
  ・メンバー    :Q234430140

・3項目を確認したら、F3(=終了)キーを3回押下してコマンド入力画面まで戻る。

 (3)確認した物理ファイル・メンバーを16進数で確認する。

(A)DSPPFMコマンドで確認する方法

 ・確認した物理ファイルとメンバーをDSPPFMコマンドのパラメータに指定する。

  DSPPFM FILE(QSPL/Q04079N003) MBR(Q234430140)

 ・「物理ファイル・メンバー表示」の画面でF10(16進表示)を押下後に、F11(上下に表示)を押下する。

   印刷データ‘ABC123’が16進数では‘C1C2C3F1F2F3’であることが確認できます。

(B)CPYFコマンドで確認する方法

 ・確認した物理ファイルとメンバーをCPYFコマンドのパラメータに指定する。

  CPYF FROMFILE(QSPL/Q04079N003) TOFILE(*PRINT) FROMMBR(Q234430140) OUTFMT(*HEX)

 ・出力されるスプールファイルQSYSPRTを表示する(WRKJOBコマンド > 4 を実行)。

 ・印刷データ‘ABC123’が16進数では‘C1C2C3F1F2F3’であることが確認できる。

 

 

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