旅中、旅前、「行かない旅行」の可能性も ~エキスパートが語るCJCチャレンジ|旅行業システム 

2024/01/17

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ジェネラルビジネス
サービス部 部長

      M・K►

エンターテイメント
ソリューション部 部長

当社のルーツの1つは、旅行企業向けのシステム事業です。当社では40年以上にわたり一貫して旅行業システムに関わり、多様な取り組みとご支援を展開してきました。旅行業システムは、旅行ニーズの変化と新しいIT技術が登場する中で、大きな変化の時期を迎えています。当社のエキスパート2人に、当社の取り組みと最近の状況を聞きました。

K・O ジェネラルビジネスサービス部で部長を務めているK・Oです。私は2020年にクレスコ・ジェイキューブの前身の1社であるエヌシステムに入社しました。エヌシステムは社団法人(現・一般社団法人)全国農協観光協会様の情報システム業務を担う会社として設立されたもので、発足当時は株式会社コープトラベル情報センターと称していました。そして1990年に同協会から旅行事業が分離されて株式会社農協観光様が設立された後も、一貫して総合旅行会社様の基幹システムとその周辺システムの設計・構築・運用・保守を担当してきました。私自身は、30数年の社会人生活のうち20年以上を旅行業のシステムに関わってきています。

M・K エンターテイメントソリューション部 部長のM・Kです。私は2004年にネクサス(クレスコ・ジェイキューブの前身の1社)に入社し、エンターテインメント業界を中心に物販・物流システムの構築・運用、生保会社やリース会社の基幹システム運用などを担当してきました。旅行業のシステムに関わったのは昨年秋からで、現在、外販システムのリニューアルを行いつつ運用を担当しています。

K・O 私はスクラッチで新規に構築するシステムで、Kさんは旅行システムの運用・保守の担当です。私どもにとっては新規のお客様で、昨年(2023年)に他社とのコンペの末に獲得した大型案件です。新規のお客様の拡大を進めている当社にとってはきわめて重要な案件になります。会社合併によって多面性・多様性を拡大した当社の今後を示す案件にもなると考えています。

K・O 直接お客様にうかがったわけではないので想像の域を出ませんが、旅行業界における当社のシステム経験・実績と企業規模、機動力などを評価いただけたのではないかと考えています。お客様にとっては旅行業界の用語で会話できるといったことも、安心材料になったのでないかと思います。

K・O KさんとKさんのチームはこれまでにさまざまなお客様のシステムを経験し、成果と実績を積み上げてきています。言い換えれば、多様なお客様に揉まれて現在があるわけです。その経験は非常に重要で、今回は担当するシステムのリニューアルと運用・保守をアジャイル手法で進めることもあり、アジャイルについても経験豊富なKさんが指名されたという形です。

K・O そういうことです。

M・K 1つはスピード感ですね。何かを決める、実現するというスピードが他業界のお客様よりも速いという印象です。そのためでしょうか、システムの現場も若々しく感じられますね。

K・O スピード重視というのはありますね。旅行業界全体について言えるようにも思います。

M・K それと、今担当させていただいているお客様の特徴かもしれませんが、社員の方々が「自分の会社をよくしよう」という気概をおもちなのが新鮮で、とても印象的です。「会社をよくする方法を見つけよう」「自分の担当していることが会社をよくすることにつながる」という気持ちを多くの社員がもっているので、会社に勢いを感じます。これはほかの業界では感じたことのなかった経験です。

K・O お客様は全社的な技術標準をおもちですが、個々のシステムの開発・運用では細かい規定はなく、個々のシステムをより速くより効率的に、より投資対効果高く開発・運用できればよいという考えのようですね。

M・K 私はアジャイルで開発を進めていますが、Oさんはウォーターフォールですよね。

K・O そう。私が担当しているシステムは規模が大きいので、リスクを最小化し品質を最大化するためにウォーターフォールを採用しています。今は基本設計の段階で、2024年中にサービスインする予定です。

M・K Oさんと私の担当システムで共通なのは、AWSに基盤を置くくらいですね。そのほかはOS・言語を含めて個々に最適な技術を採用しています。

K・O それは当社にいろいろなシステムに対応可能な技術・スキル・ノウハウが蓄積されているということでもありますね。私自身が、3社が合併してソリューションの幅が大きく広がったことを実感しています。今回Kさんをアサインできたのもその1つですしね。

K・O 旅行業は、昔はお客様に交通手段と宿を手配するのがメイン業務でしたが、今はお客様に旅先で何を体験していただくか、どのような感動を得ていただくかが焦点になっています。旅行業界の用語ではお客様の旅行中のプロセスを「旅中」(たびなか)と言いますが、その旅中を豊かにするための情報提供や卓越したオプションが他社との差別化のポイントです。システムをご支援する側としては、お客様の旅中体験を高めるためのシステムアーキテクチャの採用やより使いやすいユーザー・インターフェースの提供が必要です。お客様のニーズや市場がどんどん変わっていきますから、ベンダー側もキャッチアップしていくことが求められます。

M・K 旅先(旅中)での体験に着目すると、体験を軸に旅行プランをセットするという方向もありそうですね。旅行先を起点に体験プランをセットするのではなく、体験プランが先にあって、それに旅行プランをセットするという考え方です。たとえば私のチームが担当させていただいているエンターテインメント業界では、アーティストの地方公演のチケット販売などを行っています。ファンは公演目当てに遠方であっても出かけていきますから、公演を軸に旅行をセットできそうです。

K・O そのニーズはあるでしょうね。それと、それにも関連すると思いますが、旅行関連のデータの活用です。旅行会社様は過去に扱った膨大なデータを蓄積していますから、そのデータをマイニング・分析し、さらにAIなどと組み合わせると、新しい旅行サービスを提供できそうです。たとえば、お客様の過去の旅行履歴などを基にした個人の嗜好・傾向に基づく旅行プランの提案や、旅行トレンドからお客様の属性に合わせた旅行プランのご提案などが考えられます。先ほどが「旅中」の話だとすると、データ活用・分析による「旅前」のサービスですね。

M・K そうすると、さまざまな企業が保有するお客様データと旅行会社様がもつお客様データを統合的に活用すると、より新しい旅行+αのサービスが提供できそうですね。もちろん、お客様の個人情報の活用は、お客様の同意に基づいて慎重に行うことが必須ですが。

K・O それと旅行業システムな可能性としては、バーチャル旅行もあると思っています。フランスのパリをバーチャルに旅行してみるとか、南極旅行やエベレスト登山など間単には行けそうにない場所をバーチャルに旅行するといった旅行です。

M・K メタバースの領域ですね。それは大いにありそうですね。

K・O 強いて言うなら「行く旅行」に対する「行かない旅行」です。そうしたことも、旅行会社様の豊富な知識・ノウハウ・ネットワークを駆使すると、サービスとして提供可能かもしれません。システム的には十分に対応できるところまで来ていますし、当社もそうした知見・アセットを蓄えつつありますね。

K・O 旅行会社様は、お客様向けサービスのためのシステムだけでなく、企業を運営するための基幹システムなどさまざまなシステムを運用されています。そしてそれらのシステムはほぼすべてつながっているわけですから、その全体について相談に乗ってくれたり、さまざまなシステムの開発・運用を委託できるベンダーは、お客様にとって大きなメリットだろうと思います。当社は合併によって、基幹システムからクラウドやAI、スマートデバイスなどまでをカバーする技術・サービスを揃えるようになりましたから、今後はそれをさらに充実させて、お客様のご要望に即座にワンストップで対応できる体制を作っていくことが必要だろうと思います。

M・K 確かに当社は、技術・サービスの幅が広がりました。3社のこれまでの成果・実績を総合すると、たいへんな規模だろうと思います。ただし、お客様が当社に求めるのは他社と同じことではなく、自社が課題としていること、自社のやりたいことの実現で、その課題ややりたいこと自体が流動的で不透明ということも多々あります。それを考えると、お客様にとっては自分たちのチャレンジに随伴して一緒に取り組んでもらえるベンダーこそが、外部に求めておられるものではないかと思えます。その意味で、お客様に寄り添っていく、真のパートナーと呼んでもらえる資質をさらに充実させていくことが当社にとって必要なことだろうと考えています。

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